子宮頚がん予防接種
子宮頸がん予防接種は、HPVワクチンとも言います。
💗当院は、港区民公費適用の2価、4価のHPVワッチン接種を行っております。💗
💗💗最新の9価のHPVワッチン接種も行っております。?(公費適用にはまだなっていないのですが、国内での使用は厚生労働省に承認されています!)💗💗
💥💥欧米諸国や豪州などの先進国では、最新の9価のHPVワッチンがすでにゴールドスタンダードとなっていて、例えばオーストラリア(豪州)では2価も4価のHPVワッチンもすでに廃止となっています💥💥
どれがどう違うかお迷いの場合、当院の専門医まで一度ご相談いかがでしょうか。
日本で承認されているHPVワクチンはどのようなものですか?
国内で承認されているHPVワクチンは2価と4価の2種類があります。2価ワクチンは子宮頸がんの主な原因となるHPV 16型と18型に対するワクチンです。一方4価ワクチンは16型・18型と、良性の尖圭コンジローマの原因となる6型・11型の4つの型に対するワクチンです。これらワクチンはHPVの感染を予防するもので、すでにHPVに感染している細胞からHPVを排除する効果は認められません。したがって、初めての性交渉を経験する前に接種することが最も効果的です。
現在世界の80カ国以上において、HPVワクチンの国の公費助成によるプログラムが実施されています。なお、海外ではすでに9つの型のHPVの感染を予防し、90%以上の子宮頸がんを予防すると推定されている9価HPVワクチンが公費接種されており、日本では2020年7月21日に、厚生労働省より製造販売が承認されましたが、まだ定期接種ではなく、任意接種としての流通もしていません(2020年12月現在)。
HPVワクチンの効果は国内外でどのように示されているのですか?
HPVワクチン接種を国のプログラムとして早期に取り入れたオーストラリア・イギリス・米国・北欧などの国々では、HPV感染や前がん病変の発生が有意に低下していることが報告されています。これらの国々では、ワクチン接種世代と同じ世代でワクチンを接種していない人のHPV感染も低下しています(集団免疫効果といいます)。またフィンランドの報告によると、HPVに関連して発生する浸潤がんが、ワクチンを接種した人たちにおいては全く発生していないとされています。
最近の報告では、HPVワクチンと子宮頸がん検診が最も成功しているオーストラリアでは2028年に世界に先駆けて新規の子宮頸がん患者はほぼいなくなるとのシミュレーションがなされました。世界全体でもHPVワクチンと検診を適切に組み合わせることで今世紀中の排除(症例数が人口10万あたり4人以下になることを言う)が可能であるとのシミュレーションがなされました。
日本においてこのままHPVワクチンの接種が進まない状況が今後も改善しないと、子宮頸がんの予防において世界の流れから大きく取り残される懸念があります。
国内においても複数のHPVワクチンの有効性についての研究が進行中です。
新潟県で行われている研究では、ワクチンを接種した20歳~22歳の女性においてHPV-16型・18型(HPVワクチンによる効果が期待される型)に感染している割合が有意に低下していることがすでに示されています。
秋田県、宮城県における研究では、20〜24歳の女性の子宮頸がん検診において異常な細胞が見つかる割合が、ワクチン接種者では非接種者と比較して有意に少ないことが判明しています。日本対がん協会のデータを用いた研究からは、20〜29歳の女性において子宮頸部の前がん病変と診断される割合はワクチン接種者で有意に少ないことが示されました。
松山市における研究ではワクチン接種世代では20歳時の子宮頸がん検診において前がん病変が見つかる割合が有意に減少していることが示されました。
他にも前がん病変からのHPV16型・18型の検出がワクチン接種世代で減少していることも報告されています。
HPVワクチンの安全性はどう評価されているのですか?
HPVワクチンは接種により、注射部位の一時的な痛み・腫れなどの局所症状は約8割の方に生じるとされています。また、注射時の痛みや不安のために失神(迷走神経反射)を起こした事例が報告されていますが、これについては接種直後30分程度安静にすることで対応が可能です。
平成29年11月の厚生労働省専門部会で、慢性の痛みや運動機能の障害などHPVワクチン接種後に報告された「多様な症状」とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されておらず、これらは機能性身体症状と考えられるとの見解が発表されています。
また平成28年12月に厚生労働省研究班(祖父江班)の全国疫学調査の結果が報告され、HPVワクチン接種歴のない女子でも、HPVワクチン接種歴のある女子に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する人が一定数(12〜18歳女子では10万人あたり20.4人)存在すること、すなわち、「多様な症状」がHPVワクチン接種後に特有の症状ではないことが示されました。
さらに、名古屋市で行われたアンケート調査では、24種類の「多様な症状」の頻度がHPVワクチンを接種した女子と接種しなかった女子で有意な差がなかったことが示されました。HPVワクチン接種と24症状の因果関係は証明されなかったということになります。
これまでに行われたHPVワクチンに関する多くの臨床研究を統合解析したコクランレビューでは、HPVワクチン接種によって短期的な局所反応(接種部位の反応)は増加するものの、全身的な事象や重篤な副反応は増加しないと報告されています。
世界保健機関(WHO)も世界中の最新データを継続的に評価し、HPVワクチンの推奨を変更しなければならないような安全性の問題は見つかっていないと発表しています。
*日本産科婦人科学会ホームページより一部引用し、さらに独自に修正を加えています。