もしかして更年期障害?
これは、実在する患者の物語です。
とある40代後半の専業主婦の方で、ここ数ヶ月食欲が低下し、寝付きが悪く、便秘気味とお腹がよく張るようになり、何より口数が少なくなり、以前からお好きだったお出かけやお買い物に対して興味がなくなり、常に疲れていることで自宅に引きこもりの状態になりました。また、物忘れがひどくなってきたとのことでした。
この方は最初、心療内科、消化器科、内科を受診してみたようですが、一向に状態が改善せず、途方に暮れた挙げ句、もしかして婦人科かなという漠然とした思いで、院長の勤務先の産婦人科外来を受診しました。
初診時、年齢の割にずっと歳上のように見え、ご同席の男性の方が息子さんかな?と当初思いました。問診をしたところ、ご同席の方は実は旦那さんでした(大変失礼しました)。診察したところ、アイコンタクトが悪く、ずっと俯向いたまま、口数が少なく、表情も暗そうで、ほとんどご同席の旦那さんがここ最近妻の様子を語ってくれたのです。また、お肌が荒れておられ、何かしらの事情で随分憔悴した様子を見せました。明らかな家庭内ストレスや事由やきっかけはないとのことでした。
婦人科診察とホルモン検査をしたところ、女性ホルモンが低下し下垂体性腺刺激ホルモンが高い以外には、他には特別な異常はありませんでした。精神医学的な評価では、軽度の認知障害と気分障害以外には、顕著な精神医学的な異常所見はありませんでした。
そこで、以上の診察所見と検査の結果に基づき、院長は更年期障害と診断し、ホルモン療法、依存性軽めの向精神薬、漢方薬、カウンセリング療法併用を提案しました。
治療を始めて約二週間、明らかに状態が改善しました。
治療開始約ニヶ月後、食欲も便秘症状も腹部膨満感も改善し、最低限の外出もある程度出来るようになりました。
治療開始約4ヶ月後、口数が増え、明らかに表情が明るくなり、もともとお好きだったお出かけもお買い物も再び楽しく感じるようになりました。物忘れも治りました。診察では認知機能も気分障害が明らかに改善を認めました。
薬の量を徐々に減らすことができ、何より軽めだった向精神薬でも全て中止にすることができ、向精神薬を中止後でも以前のような症状の再燃はありませんでした。
女性の旦那さんいわく『妻はすっかり元気になり、10歳ほど若返りした』と感動を隠せずウキウキと妻の回復ぶりと美しくなった妻のことを語ってくれました。診察では明らかにお肌がぷるぷると弾力と艶が出るようになり、シワもほとんど分からなくなりました。
その後の定期受診に、旦那さんの付添も必要なくなり、一人で病院に来ることができるようになりましたし、病院に来ることが楽しみになったそうです。
以上より、実はお身体の芯から自然美を醸し出すのには、ホルモンバランスとこころの健康を整えることが至って重要です。
言い換えれば、ホルモンバランスを整えることによって、こころもお身体も元気になりうり、自然と芯から美しくなれます。
ホルモンは、大脳皮質にも影響を与え、場合によっては認知障害につながることも稀ではありません。そしてホルモンは、意欲、感情、気分、体型、お肌の質やたるみにも大きく関わっているのです!
その後、女性は気力が良くなり、緩やかな運動も始めるようになり、体型も明らかに美しくなりました。
『なんだか最近調子が悪いな』『疲れが取れない』『肌荒れがひどくなった』など、漠然とした思いでもあったら、まずはこころとお身体をトータルケアできる専門医が診療する当院に相談しましょう。