お身体に優しい無痛流産手術
稽留流産にしても、人工妊娠中絶にしても、術式に大差はありません。
手術の要点は、如何に有効に子宮内の赤ちゃんを子宮の外に出すかのことです。
従来ある伝統的な方法では、子宮の出入り口である頸管を拡張させ、胎盤鉗子や匙のようなキューレットを子宮の中に入れて赤ちゃんを出します。
しかし、この従来ある伝統的な方法には、様々な問題点があります。
機械で子宮の中を引っ掻いたり操作したりすることで、子宮内膜に傷ができたり、炎症が起きたりします。
やっかいなのは、子宮内膜に炎症が起きると、子宮内に癒着(ゆちゃく≈子宮内膜同士がくっつく現象)が起きる可能性があります。
癒着が起きると、生理痛がひどくなったり、自然妊娠ができなくなったり(不妊症)、もしくは妊娠ができていても立て続け流産(不育症、習慣流産)になります。
これを、いわゆるAsherman症候群と言います。以下の実際の実際の子宮鏡写真をご参照ください。
不妊症や習慣流産に悩まされ精密検査を受けたところ、初めて発覚されることも多々あります。以下の子宮内造影レントゲン写真をご参照ください。
これだけではありません。
子宮内膜が流産手術で傷むことによって、子宮腺筋症(子宮内膜症の一種)が発症しやすくなることも報告されています。
子宮腺筋症とは子宮内膜組織が子宮筋層内に侵入・増殖し、子宮が全体的に太くなる状態のことを言います。子宮腺筋症になってしまったら、生理の量がすごく重くなりますし、生理痛もひどくなり、輸血を要する重症貧血を起こすこともしばしばあります。
以下の説明図を御覧ください。
当院では、お身体と子宮内膜に優しいとされる使い捨ての吸引キット(いわゆるMVA法)を採用しております。
メリットとしては、
- 使い捨てだから、衛生的です。
- 子宮の中を金属の機械で引っ掻いたり操作したりすることはないから、子宮内膜が傷みにくく、お身体に優しいです。
- 吸引法ですから、あとから発生する合併症も少ないです。
- 経験豊富の専門医による麻酔を行いますので、術中は無痛です☆
- 術後の痛みもほとんどないか軽いです。
- お身体に負担が少ないから、日帰り可能です。
稽留流産であろうが、ご事情による人工妊娠中絶であろうが、決して喜んで受ける手術ではないでしょう。
当院では手術だけではなく、手術前後の心のケアも同時に行っております。
詳しくは、母体保護法指定の医療機関である当院で、母体保護法指定医師ならびに産科婦人科専門医の資格を持つ当院の院長にお気軽にご相談ください。